彼岸とは正式には『到彼岸』(とうひがん)と言い、私たち浄土宗の大切な三つのお経『浄土三部経』の中にある観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)というお経に由来する今では当たり前の年中行事です。
この観無量寿経(略して観経と言います)の中に皆さまのご先祖がまします西方極楽浄土を思い浮かべる方法が十三通り説かれています。その中の一つに日想観(にっそうかん)というのがあります。この日想観、どんな方法かと言いますと朝、東から登る太陽そして夕方西に沈む太陽に向かって一心に南無阿弥陀仏と称え極楽浄土に思いをこらすという方法です。そして、このお彼岸の時期が太陽が真東から登り真西に沈む最も西方極楽浄土を望むのに適していることからお彼岸がこの時期とされているのです。
極楽寺では亡くなったご先祖を偲びお釈迦さまが「父母の恩、天の極まりなきがごとし」と説かれた『父母恩重経』(ぶもおんじゅうきょう)をお読みいたします。と、同時に日頃は秘仏としてお祀りしています観音堂(本堂を正面に見て右にあるお堂)の聖観世音菩薩さまに本堂へお出ましいただき有難いお札のご祈祷をさせていただきます。